こんにちは、国際経理の中の人(@baticwords_bot)です。
この記事では、国際会計検定BATIC対策講座を開講している2つの予備校、大原とTACの特徴をまとめ、比較しています。
最初に言ってしまうと、僕もBATICでコントローラーレベルを取った時は予備校に通っていました。
コントローラーレベルは、独学でも決して取得できないことはありませんが、効率良く最短で取得するにはやはり予備校の利用をオススメします。
そして今では、希望だったグローバル企業での経理職で、英語を使った業務に当たっています。
BATICは転職活動でも非常に役立ちましたので、ぜひ予備校を有効に活用して、コントローラーレベルを目指して下さい。
ちなみに僕がBATIC受験時に通っていた予備校はプロアクティブという学校なのですが、今ではBATIC講座はなくなってしまったようです。
なのでBATIC講座を開講している予備校は資格の大原とTACのみとなります。
なお念のため、BATICは1000点満点のスコア制の試験で、
- Subject1:400点満点
- Subject2:600点満点
の2部構成になっています。
Subject2を受けるには、Subject1のスコアが320点以上必要となります。
またスコアに応じて称号が与えられ、最高の称号が「コントローラー」レベルです。
以上を踏まえたうえで読んでください。
なお、コースが多くわかりづらいため、それぞれの特徴を早見表にまとめてみましたので、参考にしてください↓
コース区分 | 資格の大原 | TAC |
---|---|---|
簿記未経験者向けSub1対策 | ー | Subject1本科生 30,000円 |
簿記3級経験者向けSub1対策 | Subject1対策コース 17,000円 | Subject1日商簿記3級学習経験者コース 17,000円 |
Sub1経験者向けSub2対策 | Subject2対策コース 76,000円 | Subject2本科生 80,000円 |
簿記未経験者向けSub1・Sub2同時対策 | ー | Subject1・2ダブル受験本科生 98,000円 |
簿記3級経験者向けSub1・Sub2同時対策 | ストレートパックコース 86,000円 | Subject1・2ダブル受験速習本科生 88,000円 |
Sub2直前の問題演習 | Subject2直前演習 8,000円 | ー |
経験者の知識のおさらい | ー | Sub2・USCPA学習経験者コース 24,000円 |
それでは各コースごとの説明していきます。
ちょっと長いですが、なるべくわかりやすく書いたつもりですので 、最後までお付き合いいただければと思います。
資格の大原 BATIC講座のコース&学費

まずは資格の大原からです。
大原のBATIC講座の特徴は以下の通りです。
大原「日商簿記3級学習経験者対象 Subject1対策コース」
- 全4回
- 学費:17,000円~(通信講座の値段 ※映像通学、教室通学講座は19,000円)
こちらは既に簿記3級を学んだ経験がある人向けのコースです。
Sub1は簿記3級をそのまま英語にしたようなレベルですから、3級経験者であれば難なく合格できるでしょう。
逆に言えばSub1だけ持っていてもあまり評価されませんので、それなりの内容だと思っておいたほうが良いです。
大原「Subject2対策コース」
- 全18回
- 学費:76,000円~(通信講座の値段 ※映像通学、教室通学講座は78,000円)
こちらは、Sub1取得者がSub2でコントローラーレベルを目指すためのコースです。
Sub1は簿記経験者にとっては本当に簡単なので、Sub1は独学で取得し、Sub2のみこちらのコースを受講するというやり方もアリだと思います。
Sub2は簿記2級では扱わない論点も出題されるため、結構難しいです。
わからないところを自分で調べて計画的に学習できる人は良いですが、そうでない人はなんでも気軽に質問できる予備校を利用するのも手です。
大原「日商簿記3級学習経験者対象 ストレートパックコース」
- 全22回(Sub1:4回+Sub2:18回)
- 学費:86,000円~(通信講座の値段 ※映像通学、教室通学講座は88,000円)
こちらは簿記3級経験者向けに、Sub1とSub2を合わせて学ぶコースです。
要するに、既に紹介したSub1対策コースとSub2対策コースを順々に受講するよりも、Sub2を取るつもりなら最初からこちらのSub1+Sub2のコースを受講したほうがお得ですよ、ということです。
それは確かにその通りで、Sub1はほぼ独学だけで取得可能なほど簡単な上に、Sub1だけ持っていてもあまり意味はないので、最初からSub2まで取るつもりでこのコースを受講するか、もしくはSub1は独学で取得し、Sub2はSub2対策コースを受講するのが良いと思います。
大原「Subject2直前演習」
- 全2回
- 学費:8,000円~(通信講座の値段 ※映像通学、教室通学講座は9,000円)
こちらは試験直前に実際の試験問題を解きながら、ポイントや時間配分について指導を受けられるコースです。
上の「日商簿記3級学習経験者対象 ストレートパックコース」「Subject2対策コース」に含まれる内容となりますので、独学で勉強してきて、試験の直前だけ腕試しをしたいという人向けです。
余談ですが、僕は簿記2級を取得した時、ずーっと独学で勉強してきて、直前演習だけ大原を利用しました。
その時、問題がまったく解けず絶望したことを覚えています。
それまで「問題演習」というものをやってこず、テキストの暗記ばかりやってきたからです。
そこから意地で勉強しまくって、ちゃんと2級には合格できましたが、皆さんはくれぐれも間違った勉強法で時間を無駄にすることの無いようにして下さい。
以上が大原のBATIC対策講座でした。
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TACのBATIC講座のコース&学費

続いて2つ目、 TACです。
TACの講座の特徴は以下の通りです。
TAC「Subect1 本科生」
- 全8回 2.5h×8コマ
- 学費:30,000円
こちらは簿記の経験がまったくない、初学者のためのコースです。
大原は簿記3級経験者からを想定していますから、このタイプのコースは大原にはありません。
ふつう簿記はみんな3級レベルから学習しだすものだと思いますが、
このコースでは「簿記3級レベルの知識を最初っから英語で学んでしまおう」、ということですね。
個人的にはこれは非常に良いアプローチだと思います。
日本の会計用語は英語を無理やり直訳したようなものが多く、日本語よりも英語の方が意味がしっくりくる用語も多いのです。
まぁ、あるていど英語が得意な人にとっては、ですけどね。
TAC「Subect1 日商簿記3級学習経験者コース」
- 全4回 2.5h×8コマ
- 学費:17,000円
大原の「日商簿記3級学習経験者対象 Subject1対策コース」と同じレベルの内容ですね。価格設定も同じです。
大原の項目でも書きましたが、Sub1は3級経験者であればほぼ独学で取得可能ですので、このコース単体で受ける意義はあまり高くないかもしれません。
TAC「Subject2 本科生」
- 全22回 2.5h×8コマ
- 学費:80,000円
Sub1の内容を学習済みの人がSub2でコントローラーを目指すコースです。
大原の「Subject2対策コース」同等のコースとなります。
大原よりも4,000円高い設定になっています。
TAC「Subect1・2 ダブル受験本科生」
- 全30回
- 学費:98,000円
「Sub1本科生」と「Sub2本科生」の内容が合わさったコースです。
大原の「ストレートパックコース」のように、それぞれの本科生を順々に申し込むよりも最初から合わせて申し込んだほうがお得になる、というやつです。
このコースは、会計初学者でSub2まで一気に取得したい人向けです。
個人的にはこのコースはオススメです。
先ほども書きましたが、会計用語は英語のほうが理解しやすいものも多いです。
このコースでは基本的な会計の概念を英語で学んだうえで、Sub2の難しい論点までカバーするため、BATIC取得を通して英文会計の知識を網羅的に習得できる内容となっています。
僕は今グローバル経理部署で実務に当たっていますが、おそらくこの内容を学習した上でBATICのコントローラーレベルを取得すれば、知識レベルとしてはグローバル企業の経理部署で業務をするスタートラインには立てると思います。
TAC「Subect1・2 ダブル受験速習本科生」
- 全26回 2.5h×26回
- 学費:88,000円
上と似たような名前でわかりづらいですが、「Subect1 日商簿記3級学習経験者コース」と「Sub2本科生」の内容が合わさったコースです。
上の「ダブル受験本科生」コース同様、それぞれのコースを別々に申し込むよりもだいぶお得になっています。
初学者ではなく、簿記3級経験者向けですね。
簿記3級の知識は既にあって、Sub1からSub2まで一気に取得したい人向けです。
TAC「Sub2 USCPA学習経験者コース」
- 全5回 2.5h×5回
- 学費:24,000円
最初、こんなコース、ニーズあるんかいな?と思ってしまいましたが、冷静に考えると意味のあるコースでした。
世の中には大きく分けて2つの会計ルールがあります。
IFRS(国際会計基準)と USGAAP(米国会計基準)です。
これらはどちらも会計報告のルールですが、細部が微妙に違うと思ってください。
またもともと、かなりざっくり言って、USGAAPは主にアメリカの企業が採用しており、IFRSはヨーロッパの企業が多く採用しておりました(日本基準は日本でしか通用しないローカルルールです)。
それがここ数年、世の中が一気にIFRSを採用する流れに傾きつつあります。
BATICはもともとUSGAAPベースの試験でしたが、2015年度からIFRSベースにシフトしました。
そこでこの「Sub2 USCPA学習経験者コース」です。
要は、過去にUSGAAP時代にSub2を取得した人や、USCPA(当然USGAAPベース)を学習した経験のある人向けに、USGAAPとIFRSと相違点を総ざらい出来るコースというわけです。
僕がコントローラーを取得した時もUSGAAPベースでしたので、個人的にはこのコースは良いかもと思ってしまいました。
以上がTACのBATIC講座一覧です。
大原とは展開するコースが微妙に違って、それぞれの考え方が垣間みえて面白いです。
まとめ:大原とTACの講座の特徴をもういちど早見表で
さて、もういちど両校のコースを早見表で見てみましょう↓
コース区分 | 資格の大原 | TAC |
---|---|---|
簿記未経験者向けSub1対策 | ー | Subject1本科生 30,000円 |
簿記3級経験者向けSub1対策 | Subject1対策コース 17,000円 | Subject1日商簿記3級学習経験者コース 17,000円 |
Sub1経験者向けSub2対策 | Subject2対策コース 76,000円 | Subject2本科生 80,000円 |
簿記未経験者向けSub1・Sub2同時対策 | ー | Subject1・2ダブル受験本科生 98,000円 |
簿記3級経験者向けSub1・Sub2同時対策 | ストレートパックコース 86,000円 | Subject1・2ダブル受験速習本科生 88,000円 |
Sub2直前の問題演習 | Subject2直前演習 8,000円 | ー |
経験者の知識のおさらい | ー | Sub2・USCPA学習経験者コース 24,000円 |
両校とも値段もそう変わらず、またともにWEB通信講座やメール質問対応などもあり、サービス内容には目立った差はありません。
僕は、先にも書きましたが、大原は簿記2級の直前演習で利用したことがあり、演習のあまりの出来なさにショックであまり記憶がありませんが(笑)、講義の内容は丁寧で分かりやすかったことは確かです。
TACは、講座は受けたことはありませんが、TACの市販の教材(特に過去問題集)は非常に出来が良く、試験をとてもよく研究していることがわかり、個人的にはかなり信頼を置いています。
これらの講座の内容は、教材も含めて、人にとよって合う合わないもありますので、どれが良いとは一概には言えません。
やはり実際に足を運んでみて、話を聞いてみることをオススメします。
冒頭でも書きましたが、僕がBATIC受験時に通っていたのは(今はもうやっていないですが)、プロアクティブという予備校でした。
ここで先生の無料セミナーに参加したら、話が面白くて勢いで申し込んでしまいました。
その先生とは今でもたまにビジネスのやりとりなどで交流が続いています。
そうした刺激的な出会いがあるのも、予備校を利用するメリットだと思います。
BATICの予備校は現在この2校しかありませんので、どちらも検討してみて決めるのが良いと思います。安い買い物ではないので。
それでは、みなさんがコントローラーレベルを取得してさらなるキャリアアップをされることを祈っております!