こんにちは、国際経理の中の人(@baticwords_bot)です。
僕はとある日系企業で経理として働いてます。
このブログでは経理のキャリアアップや働き方について書いていますが、読者の皆さんの中には経理の派遣について興味がある人もいるのでは、と思いました。
そこで今日は、一緒に働いている派遣社員の方から聞いた、「経理の派遣として働くメリット・デメリット」について聞いてみました。
話を聞いたのは僕が5年近く一緒に働いている派遣社員のSさんです。
よろしくお願いします
僕の部署で、主に仕訳伝票の起票やファイリングをお任せしています。
姉妹で中野のシェアハウスに住む、大相撲好きの物静かな独身の女性です。
現在40代の女性で、地方出身ですが、大学を卒業して東京に出てきたものの、就職氷河期で就職先が決まらず、これまで派遣社員として働いてきたそうです。
派遣は自由な働き方がメリット
Sさんが派遣社員になったきっかけは、もともとは正社員の仕事が見つからなかったからでしたが、今では派遣という働き方に満足しているそうです。
派遣先の職場(僕の会社)の人間関係や社内政治に振り回される心配もなく、かと言って所詮は仲介に過ぎない派遣会社にもそこまで忖度する必要もない。
派遣という働き方は、正社員に比べ会社のしがらみにも縛られず、休みも取りやすいというメリットがあります。もちろん残業もほとんどありません。
ちなみに、うち部署にはいわゆる40代メンヘラ毒女の正社員がいるのですが、Sさんは派遣という弱い立場だからか、しばしばそのメンヘラの標的になっていました・・・。
あからさまに意地悪してくる時もありますけど、正直どうでもいいですよね^^;
年が近いからか、勝手に対抗心燃やされるのは勘弁して欲しいですが・・・
ちなみにそのメンヘラ正社員よりもSさんの方が遥かに仕事ができるということは、周りの誰もが認めるところです・・・。
自由な反面、不安定でもある
しかし、そうした正社員のしがらみから自由な反面、派遣社員という働き方は基本的には3ヶ月更新という非常に不安定な立場でもあります(なお、後述しますがSさんは今では「無期雇用派遣社員」となっています)。
そのため多くの派遣社員は、会社の業績や職場の配置換えなどによって、急に契約を打ち切られるリスクを常に抱えています。
リーマンショックやコロナショックのような不況よって派遣切りの対象になってしまうリスクは言うまでもありません。
また、給料も時給制となりますので、休んだり早退したりすれば収入減に直結してしまいます。
たとえば、創立記念日には午後が半日休日となり、社員は退社するか飲みに行くのが慣例ですが、そんなときでもSさんは定時までしっかり働いています。
これは派遣という働き方をしている以上は仕方ないですね。
経理は派遣の中でも安定しているのがメリット
しかし、そんな不安定な派遣社員ながら、Sさんはもう10年以上、僕の会社で働いてくれています。
僕がSさんと働き出したのは3年ほど前ですが、正直Sさん無しでは仕事が回りません。
もちろんSさんがご自身の都合で辞めなければならなくなれば仕方ないですが、こちらからSさんを解雇しようという気にはまったくなりません。
経理という仕事は専門性が高いため、誰にでもお願いできる仕事ではありません。
少なくとも簿記の知識があるかないかで、できる業務のレベルが全く変わってきます。
Sさんは簿記3級の資格を取得しており、基本的な簿記の知識は備えています。
また経理では毎月・毎年やる処理も多く、基本的には同じ人が継続してくれている方が任せる方も安心です。
その方が熟練度が増してミスも少なくなり、スピードも上がるからです。
そのため、派遣さんの中でも、経理の仕事を任されている人は比較的、安定的に雇用が継続すると思って間違いないでしょう。
Sさんはこれまでにリーマンショックも経験しましたが、他の部署ではチラホラ派遣切りの話も聞いたにもかかわらず、Sさんにはまったく影響ナシだったそうです。
まったく無風でしたね^^
しかし、気になっていた人もいるかもしれませんが、2015年の労働派遣法の改正により、同一の労働者を同一の会社に派遣できるのは3年が限度となっています。
Sさんはもう10年以上、僕の会社で働いており、少なくとも3年以上は僕の部署で一緒に働いてくれています。
この場合、Sさんは派遣される会社を変えるか、現在の派遣先(僕の会社)か派遣元にて直接雇用されなければなりません。
その結果、Sさんは派遣元の会社で「無期雇用派遣」として無期雇用されることになったのです。
無期雇用派遣ならさらに安定だが・・・
先ほど触れた通り、労働派遣法の改正により、同じ労働者を同じ会社に3年以上派遣する場合は、派遣会社は「雇用安定措置」を行う義務が発生するようになりました。
これは派遣社員のような労働者を守るためのルールですが、実際には派遣先の会社が派遣社員を直接雇用する可能性は決して高くありません。
そうなると、どんなに優秀な派遣社員であっても、3年を上限に契約を打ち切るしかなくなります。
そこで生まれたのが「無期雇用派遣」という雇用形態です。
これは派遣元(派遣会社)が、その労働者を無期限で雇用するというもの。
Sさんのような優秀な派遣社員さんは、派遣元が無期雇用することによって、同一の派遣先に派遣され続けることができるようになりました。
無期雇用派遣の形態で雇用される社員は、時給ではなく月給制となり、派遣されていない間(待機期間)であっても給料が発生します。
また無期雇用ですから、3ヶ月ごとに契約の更新のリスクを抱え、収入が途絶えることに怯える必要もありません。
このように無期雇用派遣は、派遣社員という立場でありながら、安定した雇用形態なのです。
最近では、「マイナビキャリレーション」のように無期雇用派遣を前提とした派遣会社も登場しています。
参考URL:https://mynavi-cr.jp/
私は前のままでも良かったんですけどね。
無期雇用されないと3年を超えて同じ職場で働けなくなったのは、正直良いんだか悪いんだかわかりません–;
Sさん自身は、会社のしがらみに縛られない派遣という働き方にメリットを感じていたため、無期雇用への転換については手放しで喜んでいるわけではなさそうでした。
というのも、無期雇用になることで、派遣されていない期間であっても給料が発生することになります。
それは安定と捉えることもできますが、派遣元に対してはこれまでのようなドライな関係ではいられなくなるとも言えます。
経理派遣のメリット・デメリットまとめ
というわけでここまで、派遣社員のSさんのお話をもとに、経理派遣のメリット・デメリットを紹介してきました。
再度にもう一度振り返ってみます。
- 会社のしがらみに縛られないのが派遣社員のメリット
- いっぽうで仕事も収入も安定しないのがデメリット
- その中でも、経理の派遣は比較的安定しているのがメリット
- 無期雇用は、派遣社員でありながら月給制、賞与があるのがメリット
- いっぽうで派遣元に対して一定のしがらみが発生するのがデメリット
いかがでしたでしょうか?
Sさん、どうもありがとうございました。
この記事が経理の派遣に興味のある人の参考になれば嬉しいです。
それでは、国際経理の中の人(@baticwords_bot)でした〜。
経理の派遣会社については↓の記事でも詳しく取り上げていますので、興味のある人はぜひ読んでみてください。