CIA(公認内部監査人)の受験資格とは?その他気になる試験範囲、予備校について徹底的に調べてみた

簿記・英文会計

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この記事ではCIA(公認内部監査人)の試験内容・制度のほか、受験のための予備校3校を比較しています。

こんにちは。
ドメスティック企業から転職してグローバル企業の経理で働いている国際経理の中の人といいます。
国際的に通用するビジネス資格としてはMBAやUSCPA(米国公認会計士)、CFPなんかが代表的ですが、近年内部統制の重要性の高まりとともにCIA(公認内部監査人)も注目されています。
というわけで、CIAの試験制度や科目、受かるための予備校について調べてみました。

CIAってどんな資格?試験範囲から予備校まで徹底的に調べてみた

CIA(公認内部監査人)とは?

CIA(Certified Internal Auditor:公認内部監査人)とは、企業の内部監査人の能力・資質を証明する資格です。
IIA(the Institute of Internal Auditors:内部監査人協会)が認定する国際資格で、世界約190の国と地域で実施されています。
日本ではIIA-Japanが日本語の試験を実施しており、これまでに8,000人以上が合格しています。
前述の通り、CIAは内部監査人の能力・資質を証明する資格ではあります。
しかし試験で問われる内容はビジネス全般にわたり、広範囲な知識が求めらるため、その役割は不正の未然防止だけではなく、業務の効率化を提案するコンサルタント的な側面が大きいのです。
そのため最近では、一部の企業では経営幹部への登竜門としてCIAの取得を重視する動きも出てきています。

試験範囲には、ちょうど中小企業診断士の「財務・会計」や「経営情報システム」、「企業経営理論」を思わせる科目もあり、CIAが診断士同様、企業全般のコンサルタント的能力を問うていることがわかります。

中小企業診断士が日本ローカルの資格であるのに対し、CIAは国際資格ですから、グローバルでの活躍を目指す人にとっては、ある意味コスパの高い資格と言えるかもしれません。

CIA試験の科目

試験科目はPartI〜IIIの3科目に分かれており、それぞれ問われる内容は以下の通りです。

PartI:内部監査の基礎
  • A.IIAの拘束的な性格を持つガイダンス
  • B.インターナルコントロールとリスク
  • C.監査実務実習のためのツールと技術
PartII:内部監査の実務
  • A.内部監査部門の運営管理
  • B.個々の監査業務の運営管理
  • C.不正リスクとコントロール
PartIII:内部監査に関連する知識
  • A.ガバナンス、ビジネス倫理
  • B.リスク・マネジメント
  • C.組織構造とビジネスプロセス
  • D.コミュニケーション
  • E.経営管理、リーダーシップ原則
  • F.IT、事業継続
  • G.財務管理
  • H.グローバルビジネス管理

このように、内部監査にとどまらず、ITや組織論、財務・会計など経営全般の幅広い知識が求められています。

試験日・試験形式

試験はコンピュータベースで、すべて四択問題となっていますので、テストセンターで好きな日程で受験可能です。

合格基準

採点は各Part 250〜750ポイントのスコア制となっており、それぞれ600ポイント以上で科目合格となります。

受験資格

CIA受験のための資格には大きく分けて「教育要件」「推薦」の2つが必要となります。

教育要件

・4年制大学卒業
または
・短大、高専卒で5年以上の内部監査実務経験

または
・7年以上の内部監査実務経験

4大を出てればOK。短大・高専卒の場合は5年の内部監査実務経験があればOK。
学歴関係なく7年の内部監査実務経験があればOKというわけですね。

推薦

受験者には「『IIA倫理要綱』の趣旨を理解した客観的立場の第三者」による推薦が必要となります。
推薦者は、受験者の親族以外の客観的な立場の第三者で、IIA倫理要綱の趣旨を理解していれば、勤務先の上司や教授以外でもOKとされています。

資格認定条件(実務経験)

資格が認められるには試験に合格するほか、以下の実務経験が必要となります。

  • 内部監査又はこれに相当する業務の2年以上の実務経験
  • 会計・法律・財務・経営に関する修士取得者は実務経験1年分に充当
  • 監査・会計・財務・法律に関する4年以上の教職経験は、実務経験2年分に充当

科目合格有効期限

CIA試験では、最初の受験登録から4年以内にすべての試験に合格し、上記の実務経験の証明書を提出しないと、科目合格は無効となってしまいます。

また4年のうちに申請手続きをすることで1度だけ、期限を1年延長することができます。

受験料
  • 初回登録料 12,000円
  • Part1: 31,000円
  • Part2: 25,000円
  • Part3: 25,000円

ストレートで合格しても合計94,000円かかります。
できれば一発合格したいですね。

CIAは独学で取得可能?

さて、このCIA試験。
取るにはどの程度勉強したら良いのでしょうか。
一般的に勉強時間は約400時間と言われています。
毎日4時間勉強したとして3ヶ月ちょっとの計算ですね。それなりの難易度です。
というのも、前述の通り試験範囲がおそろしく広く浅いのが特徴です。
しかもご存知の通りのマイナー資格ですから、市販の教材は全く充実していません。
しかも受験料も1科目あたり25,000円〜と、安くありませんから確実にストレート合格するためには予備校の利用が効率的な選択だと言えます。
というわけで、CIA講座を開講している予備校3校を比較していきたいと思います。

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アビタス

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アビタス CIA講座の特徴

アビタスは合格者数No.1で、これまでに2,000人以上の合格者を出しています。
アビタスの特徴は、その高く保たれた講義の品質です。
すべての講師は同一のシラバスとスライドによって講義を行っており、よくありがちな、同じ予備校でも講師によって講義内容にクセがあったり、ということがありません。
また受講生による講師の評価を毎学期実施しており、評価内容を講師にフィードバックすることにより講座の品質維持・向上に役立てています。

初学者でもわかりやすいオリジナル教材。
また受講者の90%が社会人であることから、働きながらでも最後までやり通せるカリキュラムになっていることが伺えます。

アビタスの受講料
  • 通信コース237,600円(eラーニングと教室授業の両方が使えるコース) 
  • 通学コース 226,800円(教室授業のみでeラーニングが使えないコース)
  • 通信限定コース 226,800円(eラーニングのみで教室授業が使えないコース)

※別途入学金 10,800円

アビタスの授業数

全29回(1回 2.5時間)

アビタスのサポート期間

通信コース、通学コースは2年間、講義への出席が無料!
途中で中断しても2年以内であればいつでも受講を再開できます。
仕事や家庭の都合で勉強のペースが乱れることはよくありがちなので、これは頼もしい限りです。

さすがシェアNo.1のサービスといったところです。
→[アビタスのCIAコース ]

TAC

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TAC CIA講座の特徴

TACでは、CIAのみならずUSCPAや中小企業診断士ホルダーなど各分野のスペシャリストが講師を務めています。
またアメリカで高い評価を受けるPower Resources Corporationからノウハウ提供を受けた質の高い教材を使用しています。
なおCIAの過去問は公開されていないため、TACでは独自の研究による対策を講じています。
僕は他の資格で何度かTACの過去問題集のお世話になっていますが、TACは過去問の質が非常に高い印象を受けています。
そのため論点ごとの出題頻度を研究し尽くした、メリハリのついたカリキュラムが期待できます。
資格試験は情報戦ですが、CIAのようなマイナー資格の情報は独学では得にくいため、TACのように組織力のある予備校を使用するのは大きなメリットだと思います。

TACの受講料

198,000円(DVD通信・教室通学ともに)
※別途入学金 10,800円

TACの授業数

全52回(1回 2.5時間)

TACのサポート期間

受講期限以後は、単科生コースの科目を割引価格で受講可能となります。

実績ある教材、タレント揃いの講師陣。
大手の安心感で選ぶならTACです。
→[TAC CIA講座

GRC Labo

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GRC ラボの特徴

GRC Laboは3校の中ではもっとも知名度も低く後進の予備校となります。
しかし3校の中で唯一、CIA専門の学校でもあります。
またGRC Laboの特徴は「WEB講座専門」であること。
会計士や税理士、USCPAをウリとする大手予備校では、まだまだマイナーなCIA講座に対して大規模な投資ができないのも事実です。
その点GRC Laboでは、WEB講座のみに特化することで、教室や紙の教材にかかるコストを徹底的に省き、リーズナブルで価値の高い講座づくりに取り組んでいます。
コストを省いた分、教材は独自で開発。単なる英語教材の直訳ではありません。
日本人にもわかりやすい、図表やグラフを多用した記憶に残りやすい、短期合格に最適化されたカリキュラムが特長です。
また少数精鋭の講師は、全員がPwCやデロイトトーマツなど大手監査法人での監査経験を持つスペシャリストばかりで構成さてれいます。

GRC Laboの受講料
  • PartI〜III総合コース:156,800円

総合コースはPartI〜IIIを合わせたもので、それぞれバラバラに受講することもできます。

  • PartI:45,800円
  • PartII:57,200円
  • PartIII:108,000円

また、上記とは別に会計やITといった、未経験者には取っ付きにくい分野をフォローする講座があります。

  • 内部監査人のための会計:43,000円
  • 内部監査人のためのIT:18,000円
GRC Laboの授業数

117レッスン ※総合コース(1レッスン10〜30分)

GRC Laboのサポート期間

残念ながらHPに記載なし

WEBのみに特化しコストを省き、独自に開発したオリジナルの教材とリーズナブルな価格が魅力のGRCラボ。
とはいえ、3校の中ではもっと知名度も低いため、不安もあると思います。
HPでは無料体験講座も受けられるので、実際に体験して決めるのが良いと思います。
→[GRC Labo

まとめ:予備校は実際に体験すべし

以上、CIA受験の予備校を3校紹介してきました。
3校の比較をまとめると、

  • 価格が最も安いがWEBのみでサポートがやや不安か→GRC Labo
  • 値段は最も高いがサポート期間が最も長い→アビタス
  • 値段もサポートも上記の中間→TAC

といった感じになっています。

とはいえ、予備校受講の目的は「受かること」。
受からなければ何にもなりません。
そのためには値段やネットの情報だけでなく、実際に資料請求やセミナーに参加してみて、自分に合うものかどうか、確かめることが重要です。
セミナーに参加すると、実際に講師や周りの受験生に会うことが出来て、モチベーションも高まります。

監査実務者ならずとも、ビジネスに関する知識が幅広く学べ、国際的にもアピールできるCIA。
ぜひ検討してみて下さい。
それでは〜。

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