こんにちは、国際経理の中の人(@baticwords_bot)です。
僕は新卒で入った中小企業で働いていた頃、
- 今の会社、仕事がキツいんだよな〜
- 将来出世とかいいから、まったり高給で働けるゆるふわ企業に転職したいな
- やっぱりそんな会社ないのかな・・・
毎日こんな悩みを抱えて働いていました。
しかし!その後、某日系の大企業に転職したときの感想は
「は?これでこんなに給料もらえるの?」
でした。
それまで務めていた新卒の会社の方が仕事はずっと大変だったのに、転職先の大企業の方がずっと給料は高かったからです。
このブログでは何度か書いていますが、給料の高さは仕事の難しさや大変さで決まるわけではなく、属している会社で決まります。
というわけでこの記事では、実際にそんな「ゆるふわ大企業」に転職した僕の経験を元に、
- ゆるふわ企業の見分け方
- ゆるふわ企業に入るには
について書いていこうと思います。
なお念のため書いておくと、いかにゆるふわ企業と言えど、サボって世の中のお荷物になりながら高給をもらう事を推奨しているワケではありません!
あくまでも、「構造上ふつうの水準に比べ仕事はラクなのに高給にならざるを得ない会社」に入るための方法について、真剣に考察していこうと思います。
「ゆるふわ企業」の実情とは
最初に、僕が転職して入社した会社がどのくらいゆるふわだったかについて簡単に触れておきます。
まずゆるふわ企業の特徴として、大した成果を残さなくても自動的に毎年昇給していきます。ホントです。
もともと昇給のすごく遅い会社にいた僕はこれにとても驚きました。
ゆるふわ企業の昇給は「めちゃくちゃ早い」わけではありません。
しかし、評価に関係なく毎年自動的に上がっていくのです。
いわゆる年功序列というやつですね。
ですので、基本的には若いうちから先輩を追い越して昇給していくようなことはありませが、40代ごろで上げ止まってくると逆転が起きてきます。
また、業績に関係なくボーナスは毎年支給されます。
要するに、めちゃくちゃ高い給料は貰えるわけではない代わりに、将来永く安定した給料をもらう事ができるようになっているのです。
関連記事:転職して気付いたら年収が200万上がってた話→理由は○○
その代わり、大きな成果を残した人が、他の人よりも飛び抜けて高い給料をもらうという事もありません。
実力勝負でどんどん年収を上げていきたいと言う人には、ゆるふわ企業はむきませんね〜
年齢が上がるにつれて給料も高くなるということは、それだけ見るとかなり利益率を圧迫してそうですよね?
それでも、ゆるふわ企業の利益率は総じて高いことが多いです。
そうした利益率は果たしてどこでまかなわれるのか?
実はそれこそが、ゆるふわ企業がゆるふわでいられる最大の理由でもあります。
ゆるふわ企業の特徴|ゆるふわが、ゆるふわでいられる理由
大まかに言って、ゆるふわ企業の特徴は
といったところです。
これに当てはまるのは例えば、ガスや電力・通信などのインフラ産業や、業界で圧倒的シェアを誇る化学・素材メーカーなどですね。
こうしたゆるふわ企業では、年齢に応じて上がっていく人件費が利益率を圧迫してしまいそうですが、そうはなっていません。
なぜなら、彼らの給料は売っている商材の価格に上乗せすることが出来るからです。
- この世になくてはならない物
- 規制に守られている物
を売っているので、価格競争に巻き込まれることがなく、価格を会社の思い通りに決められるのです。
人件費を補うために多少割高の価格をつけても、競争相手がいないため、顧客はそれを買うしかありません。一向に下がらないケータイ料金を思い出してみて下さい。
「下げる下げる」って言って、ポーズだけですよね
だって顧客は他に選択肢がないんだから〜
これこそがゆるふわ企業の強みです。
ガツガツ営業する必要もないので、労働時間も短く、社内の雰囲気もおだやかというわけです。
ゆるふわ企業の見分け方
それでは、どうやったらそうしたゆるふわ企業を見分けることができるのでしょうか。
さきほど挙げたゆるふわ企業の特徴に加え、もう1つの指標を紹介しておきます。
それは「労働生産性」です。
労働生産性とはすなわち
のこと。
つまり、どれだけ効率的に、短時間で利益を上げているかという指標ですね。
労働生産性が高い業界は、短い時間で利益を生み出しているということですので、それだけ仕事はゆるい事が予想されます。
こちらの三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデータによると、不動産、電気ガス水道などのインフラ、情報通信業、金融・保険、教育・公務員、製造業などが労働生産性の高い業界として挙げられていますね。
ただし、このデータを見るうえで注意が必要な点があります。
業界選びの注意点
先ほどのデータのなかで、不動産・金融・保険などの生産性が高くなっていますが、これらの業界は売っている商材が高額なので1人あたりの生産性が高くなっているだけです。
家やビル、金融商品・保険って、1人の営業マンが作り出す売り上げが膨大ですよね?だから労働時間あたりの生産性が高くなるわけです。
こうした業界は給料も高くなりますが、一般的にゴリゴリの営業会社です。
売れる営業マンであれば桁違いの高給になりますが、その分プレッシャーや労働時間もハンパないものになりますので、そういった会社はゆるふわとは言えませんので、注意が必要です。
まぁ給料が高いだけいいんですけどね、「ゆるふわ」ではないですね
次に、同じく生産性が高いことになっている業界に教育・公務員があります。
しかし率直に言って学校教員や塾講師、公務員の労働生産性が高いと思いますか??
むしろ教員はブラック労働の筆頭に挙げられますし、無駄・ムラの代表である公務員の労働生産性が高いはずがありません。
おそらくこの2つは労働時間が正確に把握されていないのでしょう。
私の知り合いの国家公務員も、毎日のように深夜タクシー帰りですが、残業代は全額支給されないと話していました。
また、教員には定時や残業の概念はありません。
参考(外部サイト):「公立教員に残業代が出ないのは違法?法的解釈をわかりやすく解説」
こうした業界はブラックなサービス残業が常態化しているので、データ上生産性が高いことになっていても、絶対に避けなければいけません。
オススメのゆるふわ業界はココだ
さきほどのデータで見ると、やはりオススメは電力・ガス・水道・通信などのインフラ産業、そして製造業ですね。
これらの業界に共通することは、大規模な設備投資が必要なため、また国の規制で守られているため、参入障壁が非常に高い点です。
たとえば、近年発展が目覚ましい分野といえばITを利用したサービス業(ソシャゲとか)ですが、ITは資本投資がいらず、アイデア1つで始められるため競争が激しいのが特徴です。
その点インフラや製造業は、そもそも事業を始めるにあたって発電所・通信設備・工場などの大規模な生産設備が必要になるため、その分野で過去から続く牙城を後発の企業が崩すことがほぼ不可能なのです。
ゆるふわ業界は「地味」
そしてゆるふわ企業のもうひとつの特徴が、
この世に無くてはならない物を売っている
というポイントです。
経験上、ゆるふわ企業の条件を兼ね備えている業界・企業は「地味」です。地味な上に保守的。
要するに、多くの人からから憧れられるような仕事じゃないんですよ。
逆にみんなが憧れる業界は給料が低いのです。
なぜなら、給料が安くても働きたいという人が多いので、給料を上げる必要がないからです。
そうした業界は例えばエンタメ、Webサービス、アパレル、おもちゃ、ゲーム、お菓子などです。
これらに共通することは、無くても困らないものだということです。
ちなみに僕の前職はいわゆるエンタメ系の会社でした。
憧れて入ったけど、内情は・・・
こうした会社は、たとえ一時的な大ヒット商材が出ても、安定して給料が上がることはありません。
なぜなら、そうした商材は流行に左右されるため、翌年も同じように売れるとは限らないからです。
いっぽうのゆるふわ業界、インフラとか化学やら素材メーカーとかって地味、というかなんか保守的はイメージありますよね?
月9ドラマの主人公がガス会社で働いてるとか、あり得ないじゃないですか。
でも、だからこそゆるふわでいられるという事は、よく理解しておくべきでしょう。
ゆるふわ企業で働きたいのなら、キラキラな働き方とは決別して、社会の黒子に徹する覚悟を持つ必要があります。
関連記事:おもちゃ会社で8年間働いていた僕が、就職志望者に伝えたい業界のこと
ゆるふわ企業に入るには
最後に、実際にそんなゆるふわ企業に滑り込むことに成功した僕の実体験を書きたいと思います。
結論からいうと僕の場合は転職エージェントの紹介でした。
数ある紹介案件の中に、たまたま今の会社があり、もともと安定企業として知っていた僕は「ん?」っと思い、詳しく話を聞くことに。
こんなジャパニーズトラディショナルな大手企業が中途採用をしてるんだ、とその時は驚きました。
一般的に大手の安定企業だと、新卒採用が多いイメージがあるかも知れません。
しかし、最近では日本でも転職が珍しくなくなっているため、ゆるふわ企業でもゆるふわな雰囲気が合わずに辞めていく若手が増えています。
そのため弊社のようなジャパニーズトラディショナルな大手企業でも、新卒だけでは間に合わず、最近は中途採用を増やしているのです。
しかし、私が今の会社に巡り会えたのも、やはりタイミングも大きかったと思います。
中途採用は年中募集しているわけではなく、欠員が出たタイミングや、増員が必要なタイミングで出されるものですので、タイムリーにエージェントから情報を得ておく必要があります。
オススメのエージェントはやはり業界最大手のリクルートエージェントですね。
関連記事:転職エージェントは相談だけでもOK。リクルートエージェントに3回も通ったらこうなった
取り扱い求人数がとにかく多いですので、とりあえず登録して求人を見てみると良いでしょう。
ただし、エージェントにも向き不向きがありますので、1社だけに任せる事はせず、自分の志望や年齢・経験などに応じて、他にも数社登録すると良いと思います。
エージェントはどこも、相談からじっさいに転職するまでいっさい料金はかかりませんので、安心して相談だけでも利用できます。
関連記事:「初めての転職」で失敗したくない人のための、「転職サービスの賢い使い方」を紹介します!
まとめ
サラリーマンは基本的には資本家に雇われ、契約で決まった値段(給料)で労働力を提供する立場でしかありません。
繰り返しになりますが、給料の高さは仕事の難しさや大変さで決まるわけではなく、属している会社で決まります。
そしてこの世には、「構造上ふつうの水準に比べ仕事は楽なのに高給にならざるを得ない会社」というのが存在するのです。
共感いただけだ人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
それでは、国際経理の中の人(@baticwords_bot)でした。